「会社用にちょっと安いマウスを買ったら、こんなに苦労するとは思わなかった……」
これが正直な感想です。
僕は 2023年7月から、Logicool の MX Master 3S を会社で使っていました。自宅では別のマウスを使っていたんですが、転機は今年(2026年)5月上旬、自宅に MacBook Air を購入したこと。Windows PC と MacBook を行き来して使うようになって、それぞれのマウスを使い分けるのが地味に面倒になってきたんですよね。
そこで、MX Master 3S の機能を活用することにしました。
- デバイス3つまで登録できる(側面のボタンを押すだけで切り替え)
- Flow 機能を使えば、ボタンも押さずに自動でマウスが切り替わる
この機能のことを思い出して、これで行こうと決めました。MX Master 3S を自宅用にして、自宅の Windows と MacBook を1つのマウスで切り替えながら使う。
ただ、そうなると会社用のマウスがなくなる。じゃあ会社用にもう1台、サイドホイールとサイドボタン付きで、できれば安いマウスを買おう。そう考えて選んだのが、サンワダイレクトの 400-MAWBT207 でした(価格は MX Master 3S の約4分の1)。
結論から言うと、これが大失敗。
「安物買いの銭失いとはこのことか…」を、身をもって知った話です。
ただ、面白いことに、このマウス、自宅の Windows でも MacBook Air でも、Office を含めて普通に動きました。問題は会社のPCとの相性だけ。
今回は、僕が会社のPCで遭遇した2つの不具合と、その試行錯誤の記録です。
マウスは悪くない、でも会社のPCには合わなかった
まず今回ぶつかった不具合を整理します。
今回ぶつかった不具合は大きく2つ:
- トラブルA:サイドホイール(横スクロール)が反応しない
- トラブルB:使用3時間後、Word・Excel・PowerPoint でサイドボタン(進む・戻る)が反応しなくなる
このうち、トラブルAは完全解決できました。後ほど解決法を書きます。
ただトラブルBは根本解決に至らず、最終的に MX Master 3S を会社にも持ち帰るという形に戻しました(Flow 機能はあきらめて、毎日持ち帰る運用に逆戻り…)。
繰り返しになりますが、マウス本体は壊れていません。自宅の Windows と MacBook Air では、ブラウザでも Office でも普通に動いています。会社のPC環境(おそらくセキュリティソフト)との相性問題、というのが現時点の結論です。
なぜ安いマウスを選んだのか
会社用のマウスに求めた条件はシンプルでした。
- サイドホイール(横スクロール)がある
- 進む・戻るのサイドボタンがある
- できるだけ安い
普段の MX Master 3S は本当に最高なんですが、価格が約 1.7万円。会社用にもう1台同じものを買うのはちょっと気が引けたんですよね。
「会社では Excel と Word が中心。最低限のサイドホイールとサイドボタンがあれば十分でしょ」
そんな軽い気持ちで Amazon を物色して、見つけたのがサンワダイレクトの 400-MAWBT207。価格は MX Master 3S の約4分の1。「これで十分じゃん」と思って、ポチりました。
このときの僕は、まだ知らなかったんです。安いマウスには安い理由がある、ということを……。
トラブルA:サイドホイール(横スクロール)が反応しない
マウスが届いた日、まず自宅の Windows デスクトップと MacBook Air で動作確認。両方とも問題なし。サイドホイールも、ブラウザでも Office でもサクサク動く。
「うん、これで十分。会社で使うのが楽しみ」
そんな気持ちで翌朝、会社のPCに接続したら、いきなり違和感がありました。
親指側のサイドホイールが、一瞬動いて止まるんです。
ブラウザで横スクロールしようとしても、Excel で横方向にセルを移動しようとしても、ホイールを回すと「カッ」と一瞬反応するけど、その後は完全に無視。ゆっくり回しても、勢いよく回しても同じ。
「自宅では動いてたのに、なんで…」
最初に試したのは、サンワサプライ純正の専用ソフト(SANWA SUPPLY Mouse Utility)でのカスタマイズ。ところが、サイドホイールの設定項目自体が存在しませんでした。
そこから Gemini に相談しながら、以下を一通り試しました。
- 過去に使ってた Logicool Options のアンインストール
- USB の省電力設定(セレクティブサスペンド)を無効化
- Windows の垂直スクロール行数の変更
- USB ポートを差し替え
しかしどれも効果なし。マウスは自宅で動いてるので故障ではない。会社のPC側に原因があることは明らかでした。
解決法:「非表示のデバイス」削除+HID準拠マウスの再適用
最終的に解決したのは、デバイスマネージャーでの古いドライバの掃除です。
具体的な手順はこちら:
- デバイスマネージャーを開く
- メニューの「表示」→「非表示のデバイスの表示」をオン
- 「マウスとそのほかのポインティングデバイス」を展開
- 半透明アイコンで表示されている過去の接続履歴をすべてアンインストール
- 現在使用中の「HID 準拠マウス」を右クリック → 「ドライバーの更新」
- 「コンピューターを参照」→「コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択」
- リストから「HID 準拠マウス」を手動で再選択して適用
これを行なった瞬間、サイドホイールが普通に動くようになりました。
おそらく原因は、以前に会社のPCで使っていた Logicool マウスのドライバ残骸が、新しいサンワのマウスの信号と衝突していたこと。OS 側に古いマウスの「定義」が残っていて、それが邪魔をしていたんですよね。
多機能マウスは、過去に使っていた他メーカーのドライバ残骸と相性が悪い場合があります。設定変更やソフトのアンインストールだけでは解決しないことも多いので、「ゴーストデバイスの掃除」を覚えておくと役立ちます。
トラブルB:3時間後に Office で進む・戻るが効かなくなる
解決したと思っていたら、3時間後にまた異変が起きました。
Word・Excel・PowerPoint で、サイドボタン(進む・戻る)が一切反応しなくなったんです。
おかしいのは、これが「Office 系のアプリだけ」で起きていたこと。
- ブラウザ(Chrome や Edge)では、サイドボタンで普通に戻る・進むが動く
- Alt + Tab(ウィンドウ切り替え)も普通に動く
- マウスのカーソル移動・クリックは問題なし
つまり、マウス自体は生きているのに、Office 系だけが信号を受け付けなくなった状態。
これも Gemini と一緒に、いろいろ試しました。
- 物理リセット(USBレシーバー抜き差し、電池抜いて1分放置)
- ポート変更
- デバイスマネージャーで HID デバイス削除&再認識
- サンワのソフトを再インストール
- レジストリの Scancode Map を確認
- 固定キー機能のチェック
しかしどれも効果なし。
最終的に msconfig でクリーンブートしたところ、ある常駐ソフトが目に入りました。
Trend Micro(Worry-Free)
セキュリティソフトです。仮説ですが、サンワのマウスが送る「擬似的なキー信号」が、使用開始から数時間経過したタイミングで Trend Micro の「振る舞い検知」に引っかかった可能性が高いんじゃないかと考えています。
なぜ「Office 系だけ」止まったのか?
Office は他のアプリと違って独自のショートカット処理を持っています。Trend Micro が「Office に対する擬似入力」だけをピンポイントで遮断したのではないか、と推測しています。
ただ、これは仮説の領域。詳しい検証は第2回の記事でまとめています。
ちなみに、サイドボタンを「Ctrl+Z(元に戻す)」「Ctrl+Y(やり直し)」に割り当て直すと Office では反応するんですが、今度はブラウザで「戻る」が効かなくなる…。あちらを立てればこちらが立たず、という状態でした。
「安物買いの銭失いとはこのことか…」
正直に言うと、ここまで来た時点で、僕の中の気持ちはほぼ「がっかり」一色でした。
接続直後にサイドホイールが動かず、Gemini と試行錯誤して解決した直後の、3時間後の Office トラブル。「ようやく快適に使えると思ったのに……」。
「安いなりの理由があったんだな」
これが、僕の正直な感想でした。
「安く済まそうとして、結局時間と労力をムダにする」って、いちばん避けたいパターンですよね。
「500円安く買って、3時間ハマる」
冷静に考えれば、これは完全に「割に合わない」。
自宅の Windows と MacBook Air では普通に動いた
ここで重要なポイントをもう一度。
このマウス、自宅では Office も含めて普通に動いています。
- 自宅の Windows デスクトップPC:ブラウザも Office もトラブルなし
- MacBook Air:ブラウザも Office もトラブルなし
つまり、マウスが故障しているわけじゃない。会社のPC環境、特に Trend Micro などのセキュリティソフトとの相性問題が、最大の原因と考えられます。
なので、「サンワダイレクトのマウスがダメ」というつもりは全くありません。家庭用としては、価格を考えれば十分使えるマウスだと思います。
ただ、「会社のPCで使える」と保証はできない。ここがガジェット選びの怖いところなんですよね。
結局、MX Master 3S に戻した理由
「これ以上時間を使うのはムダだ」
そう判断して、僕は自宅用にしたばかりの MX Master 3S を、また会社にも持ち込むことにしました。
せっかく Flow 機能を使い倒すために MX Master 3S を自宅専用にしたのに、結局その計画は破綻。会社と自宅を行ったり来たりさせる運用に。でも、確実に動く方を選んだ形です。
そして、ここが MX Master 3S の強みなんですが、専用ソフト「Logi Options+」を使うと、アプリごとに別のカスタム設定ができるんです。
僕の設定はこんな感じです:
| アプリグループ | 進むボタン | 戻るボタン | サムホイール |
|---|---|---|---|
| ブラウザ系(Chrome / Safari) | 進む | 戻る | 水平スクロール |
| Office 系(Word / Excel / PowerPoint) | やり直し(Ctrl+Y) | 元に戻す(Ctrl+Z) | 水平スクロール |
つまり、Office で「戻る」を押せば「元に戻す」、ブラウザで「戻る」を押せば「ページ戻る」と、同じボタンがアプリによって違う動きをするように設定できる。
これが MX Master 3S と Logi Options+ の価値。サンワの専用ソフトには、この「アプリ別カスタマイズ」機能がそもそも存在しませんでした。
詳しい設定方法は別記事(→ MX Master 3S レビュー)で解説します。
結局、安いマウスより自分の使い方に合わせてカスタマイズできるマウスのほうが、長い目で見れば得だったなと思います。
まとめ
今回のポイントを整理します。
- サンワダイレクト 400-MAWBT207 は、会社のPC(特にセキュリティソフトが入った環境)では不安定だった
- 一方、自宅の Windows と MacBook Air では普通に動いた
- サイドホイールが動かない問題は、「非表示のデバイス削除+HID準拠マウスの再適用」で完全解決できる
- サイドボタン(Office)が動かない問題は、Trend Micro が原因の可能性が高い(詳細は別記事へ)
- 結局、僕は MX Master 3S+Logi Options+ のアプリ別カスタマイズに戻った
- 安いマウスより、自分の使い方に合わせてカスタマイズできるマウスのほうが、結果的に得だった
同じマウスを買って「動かない!」と困っている方は、まず自分のPC環境(特にセキュリティソフト)を疑ってみてください。それでもダメなら、信頼できるマウスに乗り換える勇気も、結果的に時間とストレスを減らしてくれるはずです!
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